ボルシチは一見トマトのシチューのようですが、トマトが入っていないレシピもあります。しかし、ビーツが入っていなければボルシチにあらず。そんなに大量に入っているわけではないのですが、びっくりするほど鮮やかな赤いスープができます。さらに、食べてみると野菜のうまみにもびっくり。ビーツの他にもキャベツやニンジン、玉ねぎやトマトも入ってなんと味付けは塩だけでも、野菜の甘みと旨みが重なって滋味溢れるスープになります。 野菜だけで作るレシピもありますが、一般的には、牛肉や豚肉などが一緒に煮込まれている場合が多く、ビーツの強い風味と相性のいいのは牛肉や羊の肉など、どちらかというと赤身の肉でしょうか。切った材料を鍋に入れて煮るだけの簡単レシピもありますが、今回はちょっと張り切って、少し手間暇のかかるごちそう用のレシピを紹介します。できれば、ライ麦パンやチーズも用意して、赤ワインやウォッカなどとともに食べれば、気分はロシア、さらばシベリア鉄道(?)食卓だけでも旅気分を味わうのも悪くないですね。 【材料】 4~5人分 ・ビーツ 中1個 200g ・キャベツ 小1/4 200g ・ニンジン 中1/2 100g ・玉ねぎ 中1個 200g ・ミニトマト 8個 100g(またはトマト中1個) ・パセリ 1/3束 ・牛すじ肉 200g ・りんごジャム 大さじ1(なくても良い) ・にんにく 1かけ ・油 大さじ1 ・塩 小さじ1 ・水 1リットル ・バター 大さじ1 サワークリーム ・生クリーム 大さじ3 ・ヨーグルト(無糖) 大さじ1 ※ 生クリームとヨーグルトを混ぜて半日ぐらい常温で置くともったりとしたクリーム状になります。混ぜてすぐ使うと、とろっとした液体ですが、そのまま使ってもかまいません。 1・ビーツ、にんじんは細切り、キャベツはざく切り、玉ねぎは縦に薄く切ります。パセリは茎と葉の部分を切り離して、枝の部分を刻み、にんにくは薄い輪切りに、スジ肉は食べやすい大きさに切っておきます。 2・鍋に油を入れて弱火にかけ、にんにくの薄切りを入れて香りが出るまで炒めます(焦がさないように注意)ここに1で切ったスジ肉を入れて色が変わるまで炒め、次に玉ねぎ、玉ねぎが半透明になったら他の野菜を全て入れて全体にしんなりとするまで炒めます。 3・2に水を入れて強火にかけ、煮たってきたらアクをすくって火をとめる。塩とパセリの茎、りんごジャムを加えて、蓋をし(少しずらして隙間をあけておく)30~40分ぐらい弱火で煮込みます。スジ肉は長時間煮込まなければ柔らかくならないのですが、圧力鍋があれば煮込み時間を短縮できます。蓋をしっかりして、強火にかけ、重りが回ってシュンシュンと音を立て始めたら、中火にして約5分。その後自然に圧力が抜けるまで置いてから蓋を開き、バターを入れて味を整える(味見をして、塩気が足らなければ少し足す)
4・スープ椀や浅い鉢に盛り付けたら、中心にサワークリームを載せて刻んだパセリを乗せれば完成です。 さし「酢」せそ さ=砂糖、し=塩 ときて、次はす=お酢です。酢と一言に言っても、原料は色々。米や雑穀などの穀物の他、リンゴやぶとうなどさらに醸造方法も多様で、単に酸味料としてではなく風味や色香りなどその特徴によって様々な料理に使われてきました。自炊していても、お酢はあまり使わないという方もいるかもしれませんが、酸味を生かした料理のバリエーションや健康効果など、使わないともったいない。ぜひよい酢を選んで常備してください。 店頭にはいろいろな種類の酢が並んでいますので、どれを選んだらいいのか迷うかもしれません。使用する料理によりますが、和食で「酢」といえばまずは「米酢」です。お酢は穀物や果物を発酵させて作るものなので、それぞれの地域で飲まれているお酒と同じ原料のものが多く、和食の代表である寿司をはじめ、米を主食とする料理との相性もいいのがポイントです。 おいしいお酢 良いお酢には、酸味の中にも甘みや旨みがあり、その味の奥行は料理の仕上がりに影響しますので、ちゃんとおいしいお酢を選びたいですね。酢は常温で腐ることはありませんが、開封後はできるだけ冷暗所で保存し、暑い時期は冷蔵庫に入れておくと、風味が長持ちします。消費期限を過ぎた場合も害はありませんが、風味が飛んで美味しくなくなるので、古くなったお酢は料理に使うのはやめて、掃除などに使うと良いでしょう。(シンクの水垢掃除など、お酢やクエン酸を使うときれいになります) 一度に使う量は少ないのですが、使い続けるものなので、他の調味料同様に、原料や醸造方法の安全性については確認しておきたいところです。色々な原料が混ざった調味酢は便利ですが、どんな材料を使用しているのか確認できないことが多いので、昔ながらの製法で、原材料の安全性をきちんと表示しているメーカーのものがおススメです。 お酢以外の酸味
酸味ということでいえば、醸造酢のかわりに、柑橘果汁を使用することもあります。高知では柚子果汁以外に、ぶっしゅかん、直七など、他の土地ではあまり見かけない柑橘を使用することも多く、これら酸味の強い柑橘を総称して「酢みかん」と呼んでいます。いずれもクエン酸の他にビタミンが豊富で、柑橘ならではの香りがあることから、郷土料理の他に、デザートや清涼飲料などいろいろな食品に利用されています。 徳島名物の「すだち」といえば、「酢断ち」から来ていて、米から作る醸造酢が贅沢だった時代から、酸味の強い柑橘が酸味料として重宝されていました。四国では土地ごとに好まれる柑橘があり、それぞれにこだわりもあるので、各地を回ってその土地ごとの柑橘酢を食べ比べてみるのも面白いですね。 |
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12月 2021
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